パシフィック市、堤防決壊で住民との対話継続

2025/12/24 07:13

パシフィック市、堤防決壊による洪水被害住民との対話継続:支援遅延への不満も

ワシントン州パシフィック市では、ホワイト川の堤防決壊により避難指示が出されてから1週間が経過し、市当局は家屋を失った住民とのコミュニケーションを継続しています。

市当局は火曜日夜に住民会議を開催し、今月発生した壊滅的な洪水について現状を説明し、今後の支援策について議論しました。堤防の決壊により、ホワイト川周辺の住宅地へ洪水の水が流入し、数百人もの住民が避難を余儀なくされました。この「ホワイト川」は、パシフィック市周辺地域に広く知られた川です。

会議では、一部の住民から支援の遅れに対する不満の声が上がりました。また、決壊がより迅速に検知・発表されなかった経緯に関する説明を求める声も聞かれました。アメリカでは、緊急時の情報伝達の迅速性が重要視される傾向があります。

市長のヴィック・ケーブ氏は、破損した堤防へショベルカーで向かう途中の作業員が遭遇した状況を写した映像があると説明しました。作業員は、決壊地点に到着後、水深が深く、引き返し、別のルートを検討する必要があったと報告。決壊地点は、川の流れに隠れて発見が困難だったとのことです。ケーブ市長は「決壊地点まで到達しましたが、水深が深すぎると判明しました」と述べています。

作業員は東側の公園へ移動し、市と協力して土嚢を設置する計画を立てました。この「土嚢」は、日本の災害対策でもよく用いられる防潮・防洪対策です。ケーブ市長によると、数時間後、水はついに川に排水されるようになったとのことです。

キング郡の当局者は、州政府が迅速な資金配布のために体制を整えていると説明しました。州政府からの支援は、地域住民にとって重要な助けとなります。

パシフィック市長のヴィック・ケーブ氏は、今後の検証調査を行うと発表し、住民に対し、一時的な不満を建設的な方向へ向けるよう呼びかけました。住民の感情を尊重しつつ、前向きな解決策を模索する姿勢を示すことが重要です。

火曜日夜に始まった会議では、住民から市と郡のリーダーたちに対し、回復支援の遅れや会議での発言の仕方などに対する懸念が表明されました。ルヴィ・ロドリゲスさんは、母親が最初に911に通報したと語りました。アメリカでは、緊急時に911への通報が一般的な対応です。

「本当にあっという間でした」とロドリゲスさんは洪水の状況について語っています。水はアパートに非常に速く流れ込み、ボートで避難する必要がありました。「ベッド、家具、服を失いました」とロドリゲスさんは述べています。家財を失うという経験は、日本人にとっても共感しやすいテーマです。

廃棄物処理業者は、最も被害を受けた地域の8台のダンプトラックを3か所に配置すると発表しました。

住民は、次回の会議で英語を話せない住民のために通訳を提供することを市または郡に求めました。多言語対応は、多様なコミュニティを抱えるアメリカ社会において重要な課題です。会議に出席したキング郡の当局者は、郡のウェブサイトの翻訳されたセクションへのアクセスを推奨しました。住民は、テクノロジーの利用格差も存在すると反論しました。インターネット環境の格差は、情報へのアクセスにおいて課題となることがあります。

パシフィック市では金曜日に別の会議が予定されています。

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