SEA空港燃料パイプラインで漏洩、航空運航に影響?

2025/11/25 09:14

シアトル・タコマ空港への燃料供給を担うパイプラインで漏洩、復旧計画策定中

ワシントン州エベレット近郊で、シアトル・タコマ国際空港(SEA空港、関西国際空港や羽田空港に相当する国際空港です)へのジェット燃料供給を担うオリンピックパイプラインで漏洩が発生しました。現在、原因究明と復旧計画の策定が進められています。

月曜日の点検作業中に、直径約50センチ(約20インチ)のパイプライン区間で漏洩が確認されました。このパイプラインはオレゴン州からの燃料の大部分と、SEA空港へのジェット燃料の9割以上を供給しており、航空機の運航に不可欠な役割を担っています。隣接する直径約40センチ(約16インチ)のパイプラインでは同様の兆候は見られませんでした。

全長約640キロメートルのオリンピックパイプラインは、ワシントン州Whatcom郡からオレゴン州ポートランドまで伸びており、BPパイプラインズ・ノース・アメリカ、Inc.が運営しています。このパイプラインは、燃料を長距離輸送するための重要なインフラとして機能しています。

関係当局によると、作業員らは連邦政府、州政府、先住民部族、地方自治体と連携し、パイプラインの再稼働スケジュールが確定次第、最新情報を提供予定です。迅速な復旧と情報公開が求められています。

今回のパイプライン停止は、感謝祭(アメリカの祝日で、年末年始の混雑期に相当します)という繁忙期の直前というタイミングであり、一部の航空会社はSEA空港での燃料補給の問題により、代替空港への離着陸を余儀なくされています。この状況は、国際的な航空ネットワークに影響を及ぼす可能性があります。

広範囲な燃料不足の脅威を受け、ワシントン州とオレゴン州で非常事態宣言が発令されました。これは事態の深刻さを物語っています。

ワシントン州のボブ・ファーガソン知事は先週非常事態宣言を発令し、オレゴン州の知事も月曜夜に追随しました。オレゴンの指示により、トラック運転手は法的に長距離を運転できるようになり、代替燃料をタンクローリーで搬入することが可能になりました。これは、燃料供給の緊急対策として実施されました。

今回の漏洩は、11月11日火曜日に、農業地帯の排水溝で油膜が発見された後に報告されました。対応要員らは、油の拡散を防ぐためにオイルフェンスと回収装置を設置し、影響範囲外での燃料の目撃例はないと当局は発表しました。漏洩した燃料の総量は現在評価中です。環境への影響を最小限に抑えるための取り組みが続けられています。

このインシデントは、過去5年間のパイプラインでの3度目の事案です。過去には、ワシントン州の環境保護局が、コンウェイ近郊で2023年に発生した漏洩により、ガソリン約9460万リットル(約2500万ガロン)が水に流出したとして、BPパイプラインズに約5億円(約340万ドル)の罰金を科した事例もあります。安全管理体制の強化が求められています。

シアトル・タコマ国際空港では、感謝祭のホリデーシーズン中の旅行が開始され、全国的に記録的な旅行シーズンになる可能性があります。航空機の遅延や欠航が発生する可能性も考慮する必要があります。

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