シアトル市、住宅と安全保障に重点を置いた予算を可決

2025/11/21 21:32

シアトル市議会、住宅と安全保障に重点を置いた2026会計年度予算を全会一致で可決

シアトル – シアトル市議会は金曜日、住宅、公共の安全、そして誰もが安心して暮らせる都市づくりに向けた記録的な投資を含む2026会計年度の市予算を全会一致で可決しました。本予算は、シアトル市が直面する様々な課題への対応に向けた重要な一歩となります。

総額約89億ドル(約1兆3千億円 ※2024年5月時点の換算レートによる)に達する本予算は、そのうち約70億ドル(約1兆円)が公共サービスおよび運営に、残りの約20億ドル(約2666億円)がインフラ整備や都市改善プロジェクトに割り当てられます。

特に重点を置かれているのが住宅問題であり、手頃な価格で住むことができる住宅の確保のため、過去最高の3億4900万ドル(約470億円)が配分されました。さらに、自治体が運営するソーシャルハウジング(公営住宅に相当)への投資として、約6億5000万ドル(約870億円)が計上されています。シアトルでは、都市部への人口集中と住宅価格の高騰により、住宅不足が深刻な課題となっています。

現在進行中のSODO地区再編計画については、シアトル港が市を訴えて勝訴した結果、一旦見送りとなりました。SODO地区はシアトル港に隣接する物流拠点であり、再編計画は港湾施設の近代化と周辺地域の活性化を目的としていました。

ホームレス問題への対策として、連邦政府からの資金削減リスクに直面しているシェルターベッドの維持のため、900万ドル(約120億円)が確保されます。また、食料へのアクセス向上や高齢者支援センターの運営支援にも重点が置かれています。シアトルでは、ホームレス問題が都市部における深刻な社会問題として認識されており、継続的な支援が不可欠です。

公共の安全に関しては、警察と消防への投資を増やし、薬物依存症治療オプションの拡充、そして地域社会の安全向上を目的とした様々なプログラムへの資金提供を行います。シアトル警察は、地域住民との信頼関係構築に努めており、犯罪抑止と安全確保の両立が求められています。

本2026会計年度予算は、ブルース・ハレル市長の署名を経て正式に成立し、来年市長に就任するケイティ・ウィルソン氏とその政権の施策の基礎となることが期待されます。市長交代に伴い、今後の市政運営の方向性が注目されます。

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